【元司書が書評してみる】『ハーレクイン・ロマンス 恋愛小説から読むアメリカ』 型にはまることで得られる成功がある

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はじめに

みなさん、こんばんは。タマリンです。

 

今回から、本のレビューを通して、私が感じたことを書いていきます。

私は、図書館の司書として働いていた期間が長かったこともあり、今も本の新刊情報には、なるべく目を通すようにしています。

 

「書評日記」では、その中で実際に読んだ本の中から、印象に残った本をレビューしていきます。

 

また、せっかくブログの運営も軌道に乗ってきましたので、ただ紹介するだけではなく、その本が

ブログの運営にどのように役に立つのか

という視点も加味して考察していきたいと思っています。

 

それでは早速、中身を見ていきましょう。

初回のレビューは『ハーレクイン・ロマンス 恋愛小説から読むアメリカ』(平凡社新書 2019.12)です。

 

いきなり結論

全体を読了して、本書で1番重要なこととして、私が感じたのは、

型にはまることで得られる成功がある

ということです。

 

とりあえず、あらすじを見ていきましょう。

 

本書は、いわゆる「ハーレクイン(道化師の意)」と呼ばれる女性向け恋愛小説が何故世界中でこれほどまでに受容されるようになったかを解き明かしていきます。

 

カナダで創業された「ハーレクイン・ブックス」という出版社は、そもそも、恋愛小説を専門に出版していたのではありませんでした。

創業当初1950年代は「既に刊行された本をリプリントして再販する」という形の経営手法をとっており、多様な種類の本を取り扱っていたといいます。

 

ところが、創業者の妻である女性が、あることに気が付きます。それは、

わが社が刊行する本の中で売り上げが比較的良いのは「女性向け恋愛小説」である!

という点でした。

 

この「発見」を機に、同社はその「女性向け恋愛小説」のストーリーの傾向、いわゆる「型(カタ)」を研究。

 

イギリスで恋愛小説を出版していた「ミルズ&ブーン」社との業務提携も成功させ、その後は、カナダ国内のみならず、アメリカや日本も含めて、恋愛小説のシェアにおいて独壇場を築いていくことになります。

 

女性向け恋愛小説の型

それでは、同社が導き出した「女性向け恋愛小説(=ロマンス小説)の型」とはなんでしょうか。

 

それは、

…「ヒロインの視点から物語が語られること」、「ヒロインが内面の美しさによって高値の花のヒーローの心を捉えること」、そして「ヒーローとの幸福な結婚により、ヒロインの社会的・経済的地位が向上すること」の三条件…

(本書、p79より引用)

 だと言います。

 

他にも、ヒロインは美人というより「カワイイ」&「処女」でないとダメ(※現在は違うパターンもある)、ヒーローは高身長イケメンでマッチョでないとダメ、ちょっと意地悪なライバル女にヒーローを寝取られかけるハラハラ要素が必須…

など、色々細かいキャラクター設定上の共通点はあるらしいのですが、物語を構成する上での絶対の条件としては、上記引用部分が「鉄の掟」となります。

 

そして、ロマンス小説を売る「ハーレクイン社」が大躍進した理由は、

この型を守ってロマンス小説を量産した

という点に尽きると筆者は言います。

 

ブログ運営にも通じる!?

 

ここから、書評記事の趣旨に戻ります。

この「型にはまる」ことはブログ記事の執筆にも活かせるでしょうか。

 

まず私が1番凄いと思ったのは、創業者の妻の「発見」です。

その発見は最終的には、ロマンス小説の「型」だったのかも知れません。

しかし、最初にも書きましたが、

会社で売れているのは、どんな種類の本だろう?

という疑問点を見出し、それを自分で解決しようとした点が素晴しいと思いました。

すなわち、「疑問点を導き出すこと」そのものが「発見」だと感じました。

 

ブログ運営に通じるとしたら、

ブログで読まれているのは、どんな種類の記事だろう?

という疑問点に変換することが出来るかも知れません。

 

鈍感な私にはこの疑問点が、記事を書く上で正しい問いなのかどうか分かりません。

仮に正しいとして、それを解決するだけの実行力は、残念ながらまだ備わっていないと思います。

 

まとめ

 

ただ、今後も書評を通じて、ブログ運営のための「正しい疑問点」を見つける努力をしていきたいと思っています。

 

この疑問が解決出来たときには、その時に見つけた「ブログの型」をそのまま記事にしてみたいです。

 

それが「文章構成の型」なのか「サイト構成の型」なのか、はたまた「SNSの使い方の型」なのか、現時点ではまだ分かりません。

「広告の貼り方」という可能性もありますよね。

 

でもまずは、この記事がブログ運営をしている人のちょっとしたヒントにでもなれば幸いです。

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